KiCadで基板作成

電子工作する時、手で配線するよりプリント基板を作った方が楽なことがあります。 私は基板を発注するためのデータをKiCadで作成しています。 以下はKiCadの使い方の私の覚え書きです。ここでは、Arduino Uno ShildにLED 8個を載せてLチカします。




プロジェクトの作成

KiCadを立ち上げ、「ファイル」 > 「テンプレートから新規プロジェクトを作成」を選択
立ち上がったメニューからArduino Uno Shildを選択 -> OK



新規プロジェクト > プロジェクト名を入力 -> Save
ここでは、LEDExampleとします。以下のようにプロジェクトが生成されます。



LEDExample.kicad_schをクリックして回路図エディタを開きます。 回路図には4つのコネクター(J1,J2,J3,J4)が表示されます。この4つがそれぞれArdhino Shildのピンにアサインされます。

回路図を作成します。使わないピンは未接続フラグ X を設定します。





お約束でPower Flag を設定します。



エレクトリカルルール(ERC)のチェックを実行します。



エラー、警告が十数個発生します。


エラーの解消

[multiple_net_names]: VCC と Vin は、ともに同じ配線に接続されています; VCC をネットリスト用ラベルとして選択しました
    ; Severity: warning
    @(72.3900 mm, 58.4200 mm): Symbol #PWR01 非表示ピン 1 [VCC, 電源入力, ライン]
    @(72.3900 mm, 58.4200 mm): ラベル 'Vin'
[power_pin_not_driven]: 電源入力ピンが電源出力ピンによって駆動されていない
    ; Severity: error
    @(72.3900 mm, 58.4200 mm): Symbol #PWR01 非表示ピン 1 [VCC, 電源入力, ライン]
[lib_symbol_issues]: シンボル 'VCC' はライブラリ 'power' で変更されています
    ; Severity: warning
    @(72.3900 mm, 58.4200 mm): シンボル #PWR01 [VCC]

このエラーは、VCCに未接続フラグを設定することで解消します。ただし、黄色い矢印の「警告」は残ります。 これについては別途。



[simulation_model_issue]: シミュレーションモデル を シンボル 'J1' から読み込み中にエラーしました:
フィールドからシミュレーションモデルを読み込めませんでした。
    ; Severity: error
    @(85.0900 mm, 71.1200 mm): シンボル J1 [Conn_01x08]

シミュレーションモデルが読み込めないエラーはいくつか発生します、ここでがJ1を例に取り解消方法を書きます。 J1をダブルクリックし、シンボルのプロパティを開きます。 シミュレーションをクリックします。



エラーのダイアログが表示されます。



下のように、内蔵SPICEモデルのデバイスの欄をクリックするとプルダウンメニューがでますので、 Raw Spice Elementを選択します。



OKを押してダイアログを閉じます。この操作をシミュレーションモデルが読み込めない部品についてそれぞれ行います。


警告の解消

[no_connect_connected]: "未接続" フラグが付いたピンが接続されている
    ; Severity: warning
    @(80.0100 mm, 104.1400 mm): Symbol J3 ピン 6 [Pin_6, パッシブ, ライン]
    @(186.6900 mm, 71.1200 mm): 未接続

つがっているピンに”未接続”のフラグを設定したがために表示される警告です。 この場合、以下のようにJ2の1ピンと2ピンはそれぞれJ3の5ピンと6ピンに接続されています。 ”未接続”フラグを消せばこの警告は消えます。



修正後は以下のようになります。



[lib_symbol_issues]: シンボル 'GND' はライブラリ 'power' で変更されています
    ; Severity: warning
    @(196.8500 mm, 96.5200 mm): シンボル #PWR05 [GND]

この警告は、GNDが古いライブラリであることを示しています。一旦削除し、再度新しいライブラリからGNDを挿入します。

[lib_symbol_issues]: シンボル 'Conn_01x08' はライブラリ 'Connector_Generic' で変更されています
    ; Severity: warning
    @(85.0900 mm, 71.1200 mm): シンボル J1 [Conn_01x08]

こちらもライブラリが古いことを示しています。J1をダブルダブルクリックして、 シンボルのプロパティを表示します。 ライブラリからシンボルを更新をクリックします。



更新をクリックし、ダイアログを閉じます。



今回のエラーと警告は異常で解消することができました。